簡単 自作シルクスクリーンでオリジナルTシャツを作る 第二回【実践編】

オリジナルTシャツを自作する DIY
スポンサーリンク

自作シルクスクリーンでオリジナルTシャツを作ろう。

第二回【実践編その1】

第一回【道具編】はこちら

前回は自作シルクスクリーンでTシャツを作るために必要な道具の紹介をしたので、
今回はシルクスクリーンの版を製版する実践編に進もか。

デザインを考える

まず初めにやることは、Tシャツに刷るデザインやイラストの図案を決めるってことやね。
これが一番楽しいとこでもあるよね。
パソコンでデザインを作るもよし、手書きのイラストをスキャンするもよし。

自作製版のメリットとしては、
Tシャツくんなんかを使うと、プリントできる範囲がA4とかA3とか決まっているので、
デザインが限られてしまうけど、自分で版を作るとそんな制限なし!
Tシャツの首のリブ部分や肩、袖まで、Tシャツ全面にプリントできるから、自由度が全然違うんやで。

デザインデータを作ってOHPフィルムに印刷

で、じっくり考えて、Tシャツに刷りたいデザインが決まったら、イラストなんかの図案をスキャナーでスキャンしてデータ化し、画像編集ソフトでモノクロ二階調にする。(モノクロ二階調に変換する方法は調べてね
シルクスクリーンは白か黒か、という潔い技法なので、グレーは存在しません。
ファックスみたいな感じやね。
写真を元に版を作る場合は網点になるわな。

OHPフィルムにプリント

そんでモノクロ二階調に変換したデータを、
家のプリンターでOHPフィルム(家庭用プリンターで印刷できる薄い透明なシート)にプリントする。
なるべくインクが濃く出る設定で印刷するのがポイントやね。
あんまり薄い印刷だと、感光するときに光がちゃんと遮られず失敗する可能性が増えるで。

木枠にスクリーンメッシュを張る

プリントしたOHPフィルムが乾くのを待ってる間に、
木枠にシルクスクリーンメッシュを張りましょう。
木枠は前回の記事でも書いたが、100均で売っているコルクボードがそこそこ使いやすい。
コルクボード部分を取り除いて、木枠を使う。

スクリーンメッシュを木枠より上下左右2~3センチぐらい大きめに切って、
木枠にホッチキスでとめていきます。
メッシュをケチって、あんまり木枠ギリギリのサイズに切ってしまうと、引っ張る部分が無くてやりにくいで。

スクリーンを木枠に張る

スクリーンメッシュがなるべくたわまないように、引っ張りながらピンと張るようにホッチキスで木枠にとめていきます。
スクリーン張り作業は慣れるまでは一人でやろうとすると結構大変なので、
最初は二人でやるのがベターです。一人が引っ張ってる間にホッチキスでとめましょう。
スクリーンの張り方にこれと言ってコツはない、試しに手のひらで軽く押さえてみて、ボコボコしていなければ大丈夫。
なるべく全体がピンと張るようにね。

※100均のコルクボードを使う場合、木枠によっては木が硬くてホッチキスの針がうまく刺さらないものもあるので、
手にとって選べるなら、なるべく節(ふし)が少ないものを選ぶのがおすすめです。
もし硬くて針が入らないときは、水でちょっと濡らしてふやかして柔らかくすると、少し刺さりやすくなる。
ガンタッカーを使うのもありだが、パワーが強すぎて木枠が割れることもあるので注意。

スクリーンが張れたら、周りのいらない部分をはさみでカットして、
一度洗剤をつけて水で洗います。
こうすることで、次の工程の感光乳剤を塗る際にスクリーンへの食いつきがよくなるよ。
洗わないでやると、刷りの工程でマスキングテープを剥がすときに版がはがれてしまうアクシデントが起きやすくなります。

洗ったスクリーンが乾くのを待って、次はジアゾ感光乳剤を塗るで。

ジアゾ感光乳剤をスクリーンに塗る

説明書通りにお湯で粉を溶いて、混ぜて、感光乳剤を作ります。
ジアゾ感光乳剤を扱う時は、なるべく暗い場所でやること。
感光乳剤は、紫外線に当たると感光してどんどん硬化してしまうので、太陽の光が当たらないところで作業しないといけないよ。

弁当箱2段 100均

感光乳剤をスクリーンに塗るときに役立つのは100均で買える薄めの弁当箱だ。
蓋付きの二段セットの弁当箱が、薄くて使いやすくておすすめ。
その際なるべく角が四角いものを選ぶこと。
あんまり角が丸いと、スクリーンに乳剤を塗る際にこぼれてしまうで。

感光乳剤をスクリーンに塗る

感光乳剤を弁当箱に入れて、スクリーンに塗っていきます。
下から上になるべく均一にね。

ほんとは裏表にしっかり塗ったほうが版が強くなるのでいいのかもしれないのだが、
めんどくさい人は片面だけでも十分。
今まで何回かやったけど片面だけで失敗したことはないで。
塗り終わったら押入れの中など、紫外線が当たらないところで乾かす。
乾くのを待つのが嫌な人は、ドライヤーで乾かしてもOK。
暗いところであれば、乳剤は熱で感光してしまうことはないので心配無用。
乳剤が乾いて、ゴムの膜が張ったみたいになったらOK。

あまった感光乳剤は弁当箱に入れてしっかり蓋をして
アルミホイルでぐるぐる巻きにして暗いところに置いておくと、
3ヶ月くらいなら問題なく使えるで。

OHPシートにスプレーのりを吹く

次は乾いたOHPシートのいらない部分を切って、スプレーのりを吹きます。
スプレーのりはベランダで。なぜなら部屋の中がベタベタになるから。
さっと薄く塗れば十分。

注意点があるとすれば、たまに考えすぎてスプレーのりを吹く面を間違えるということ。
印刷したい図がそのまま見える面に吹くんやで。

感光作業

そうこうしている間に、スクリーンに塗った乳剤が乾いて、ゴムの膜みたいになったら、
次は皆さんお待ちかねの感光作業に進みます。

シルクスクリーン感光作業の準備

ホッチキスで止めた側のスクリーンにOHPシートを貼り付けて、
反対側に黒い紙を載せてカバーします。
黒い紙は裏側からの感光を防ぐ目的なので、
光を遮れるなら厚紙なんかでもいいね。

※黒い紙はスクリーンにぴったりくっつけること。
木枠の上に置いて、スクリーンと紙の間に空間があると光が回り込むので意味ないで。

準備ができたらついに太陽の光で感光するで。
露光する時間はその日の天気によってまちまち。
快晴の日なら30秒もかからないくらいだが、どんより曇った日なら1分以上かかる。
見極めが割と難しく、感光乳剤の色の変化を見てないといけない。
多分この露光時間の調整が一番難しいところ。
俺も慣れないうちは長く光に当てすぎて版をいくつかダメにした。
でも一回ぐらい失敗してもいいよね。

失敗が怖い人は一度スクリーンの端っこで試してみるのがおすすめ。
狭い範囲に感光乳剤を塗ってやってみると良いと思います。

で、感光作業に関しては経験するしか無いので説明が難しいが、
色の変化の感じを画像で説明する。

感光乳剤の色の変化

太陽の光にさらして、【OK】くらいの色になったら版を水で洗います。
洗うときにゴシゴシやりすぎると、乳剤がベロンと剥がれてしまうので注意。
水をかけながら指の腹で優しくゆっくり洗うと【元】の色の部分の乳剤だけが洗い流されて、版になるよ。
洗い残しが無いように丁寧に洗って、もう一度日の光に当てます。
光に当てて【やりすぎ】くらいの色になったらついに版が完成!

※乳剤の洗い残しにはくれぐれも注意、
ぱっと見きれいに洗えていても、乾くと目詰まりしてることもあるので
全体的にまんべんなく洗いましょう。

当初予定していたよりだいぶ長い記事になってしまったので。
【シルクスクリーンで作る自作Tシャツ教室】今日はここまで。

今回のシルクスクリーン版を作るのがTシャツ作りの一番のハードルで、
後は布用のインクを載せて、Tシャツにプリントするだけ。
一応次回は刷るときの注意点やコツをまとめます。
お疲れ様です。